万博で「水素パーク!」開催 水素活用の未来像を紹介
2025年9月22日(月)から25日(木)までの4日間、経済産業省資源エネルギー庁、NEDO、一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会と共催で、大阪・関西万博会場内 WASSE(EXPOメッセ)会場で、水素エネルギーを身近に体感できるプログラム「水素パーク!!(Hydrogen Energy Park)」が開催されました。
「水素は、チャンスだ!!」をテーマに、水素が実現する未来社会を体感できるシアターゾーンや、住宅、モビリティ、航空宇宙など、暮らしや産業における水素活用の最前線を紹介する展示エリア、タレントと一緒に学ぶステージショーなど多彩なプログラムが実施され、会場は活気に満ちていました。
その中から特にユニークに感じた展示についてレポートします。
グリーン水素生産船ウインドハンター
商船三井は、船上で、風力を利用して生成した水素を航行に利用するゼロ・エミッション船「ウインドハンター」の模型とパネルを展示されていました。
ウインドチャレンジャー※の次の展開として、ウインドハンターは強風時に水素を生産(水中のタービンを用いて発電し、海水から作った純水を電気分解)、貯蔵(トルエンと化学反応させることで、水素キャリアの一つであるメチル・シクロヘキサン(MCH)の形に変えて、船内のタンクに貯蔵)し、風が弱い時にためた水素で航行することで、航行中のGHG排出量ゼロを実現する、これまでにないコンセプトのゼロ・エミッション船です。将来的には洋上風力で生産した水素を陸上消費向けに供給する「水素生産プラント船」に展開することを視野に入れ、開発を進めているそうです。
さらには、商用船は乗組員のいない無人運航船を想定しているとのこと。風のある場所に自ら向かい、そこで航行と水素製造を行い、指定された場所に自動で赴き、港に着くと、ドローンが係船索を陸上に運び、MCHが陸揚げされるとトルエンを補給し、現在地から最も風の状況の良いエリアを探して赴き、同時に再び水素を製造し始める。。ぜひ実現してほしい技術展示でした。
詳しくお知りになりたい方は、商船三井のウェブサイトに動画がありますので、ご確認ください。
※風力補助推進システム「ウインドチャレンジャー」
商船三井が開発した硬翼帆式の風力補助推進システム。
帆を利用して再生可能エネルギーである風力を船の推進力に活用する。
現在の大型貨物船は、動力源のほぼすべてを化石燃料に頼っているが、帆の設置によって風力を推進力としてプラスすることで、スピードを落とすことなく化石燃料の使用量を抑えることができる。
すでに、石炭輸送船「松風丸」に搭載されており、最大17%の燃料節減を達成している。