大阪発スゴ技としてカーボンニュートラル(CN)関連の技術を展示
2025年10月7日(火)~13日(月)の間、フューチャーライフビレッジ フューチャーライフエキスペリエンスにおいて「大阪発スゴ技 カーボンニュートラル」としてカーボンニュートラル(CN)関連の技術が展示され、多くの方が見学、説明員の話に熱心に耳を傾けていました。
その中から特にユニークに感じた展示についてレポートします。

10月7日(火)は大阪・関西万博の最終の週で、約23万人と多くの方が来場されました。

大阪発スゴ技カーボンニュートラル会場
大阪発スゴ技としてカーボンニュートラル(CN)関連の技術の展示は、大阪府が令和4年度~令和6年度にかけて実施した「カーボンニュートラル技術開発・実証事業」の以下の10テーマです。
1) 「地域の森が発電所に!?」
関西触媒化学株式会社、株式会社ビッグバン

木くずなどの生物由来の資源をガス化して発電する「バイオマス発電」では、燃やすと二酸化炭素(CO₂)が発生します。しかし、燃料となる木くずは成長の過程で光合成により大気中のCO₂を吸収しているため、全体としては排出と吸収がつり合い、カーボンニュートラルな再生可能エネルギーとされています。
ただし、ガス化の過程で「タール」と呼ばれる粘り気のある黒褐色の液体が発生し、発電効率を下げるという課題があります。本展示では、このタールを分解・改質するための「触媒技術」を紹介しており、バイオマス発電の安定化と高効率化に貢献します。
2) 「効率的なメタン製造を実現」
株式会社ルネッサンス・エナジー・リサーチ

生ごみや家畜のふん尿、下水汚泥などから発生する「バイオガス」には、メタンのほかに二酸化炭素(CO₂)などが含まれています。このガスからCO₂などを取り除き、メタンの純度を高めたものが「バイオメタン」です。
バイオメタンは、化石燃料に代わるカーボンニュートラルなエネルギーとして注目されています。本展示では、CO₂だけを通す「選択的透過膜」を紹介しており、従来設備に比べて小型で省エネルギー。効率的なCO₂分離・回収に役立つ技術です。
3) 「ものづくりによるCCUS(CO2回収・利用・貯蔵)の推進」
住友電気工業株式会社

「CCUS」とは、二酸化炭素(CO₂)を回収して再利用または貯蔵する技術のことです。たとえば、発電所などから出るCO₂を集め、資源として利用したり、地中に封じ込めたりします。地球温暖化対策として世界中で注目されています。
本展示では、CO₂を金属に閉じ込める新しい技術を紹介しています。単なる回収・貯留にとどまらず、CO₂を「資源」として活用するカーボンリサイクルの一例です。
4) 「海上モビリティのGX」
株式会社スマートデザイン

船は、長距離を大量の貨物とともに運ぶ輸送手段で、燃料の多くを重油に頼っています。国際海事機関(IMO)は、2050年までに船舶からの温室効果ガス排出を実質ゼロにする目標を掲げています。
本展示では、太陽光や風力などの再生可能エネルギー、水素エネルギー、蓄電池を組み合わせた次世代船を紹介します。エネルギーマネジメント技術と組み合わせることで、CO₂排出の大幅削減が期待されます。
5) 「未来の『省エネ』フィールド」
タイガー魔法瓶株式会社

カーボンニュートラルを実現するためには、「省エネ(エネルギー使用量の削減)」と「エネルギー源の脱炭素化」の両方が欠かせません。
本展示の「ステンレス密封真空断熱パネル」は、内部を真空にして熱の伝わりを極限まで抑えた高性能な断熱材です。薄くても高い断熱性能を持つため、住宅や冷蔵機器など、さまざまな分野で省エネ効果が期待できます。
6) 「省エネはもっと凄くなる」
株式会社未来のコト

エネルギーマネジメントシステム(EMS)は、電気や熱の使用状況を「見える化」し、無駄をなくすことで省エネを進める仕組みです。工場やビルのエネルギーを一元的に管理することで、CO₂排出を減らします。
本展示のEMSは、電気料金や天気予報、蓄電池の残量などをクラウド上でAIが分析し、その時点で最も効率的な電力利用を自動で判断します。よりスマートな省エネが期待されます。
7) 「地球にやさしいエネルギー・インフラを」
株式会社グリーン・メタネーション研究所、
新宮エネルギー株式会社、有限会社ティー・エヌ・プラン

水素は燃やしても二酸化炭素(CO₂)を出さないため、カーボンニュートラルの実現に欠かせないエネルギーです。中でも、再生可能エネルギーで水を電気分解してつくる「グリーン水素」は、最も理想的な水素とされています。
本展示のSOEC(固体酸化物形水電解装置)は、高温の水蒸気を電気で分解して水素をつくる技術です。電気と熱の両方を利用できるため、従来よりも高いエネルギー効率を実現します。
8)「毎日も、もしもの時も水素を手軽に、安全に」
株式会社ミライト・ワン、近畿電機株式会社

水素を普及させるためには、つくるだけでなく「運ぶ」「ためる」といった仕組み=サプライチェーンの整備が重要です。
本展示では、小型水素容器の充填システムをはじめ、水素燃料電池ドローンやマイクロモビリティ(小型移動機器)など、水素を身近に使うための技術を紹介します。これらの取り組みが、水素社会の実現につながります。
9)「ほたて貝は1貝(回)で2度おいしい??」
甲子化学工業株式会社

貝殻は、海中の二酸化炭素(CO₂)を取り込んでできる炭酸カルシウムでできています。そのため、貝殻を再利用することはCO₂の固定につながります。
本展示では、ホタテの貝殻を使って防災ヘルメットやベンチを製作する技術を紹介しています。CO₂の固定化だけでなく、廃棄物の再利用による環境負荷の低減も実現します。
10)「プラ再生の社会課題はレンチンで時短&省エネ」
マイクロ波化学株式会社

プラスチックの分野でカーボンニュートラルを進めるには、「リデュース(減らす)」「リユース(繰り返し使う)」「リサイクル(再生利用)」の3Rが欠かせません。
本展示では、マイクロ波加熱技術を使って廃プラスチックを化学的に分解し、新しいプラスチック製品として再利用する技術を紹介します。マイクロ波は電子レンジと同じ原理で、内部から効率よく加熱できるため、エネルギー消費を大幅に減らせます。

10月7日(火)は大阪・関西万博の最終の週で、夜も多くの方が来場されていました。